昭和の時代は、男女共に適齢期になれば自然と結婚していたもので、結婚できなくて困っている、という話はあまり聞いたことがありませんでした。
その頃は、30歳ぐらいまで独身でいると、何か性格に問題があるのではないかと、変人扱いされていたそうです。
少し遅れて結婚した人には、嫌な思いをした人も多かったと思います。
周囲も結婚をせかし、本人も早く結婚しないと思い、男女ともに適齢期(20代半ばぐらい)になれば結婚するのが当然のことでした。
大きな理由は、文化的に結婚を無条件に肯定する背景があり、生活設計からみても、結婚することが合理的だったからです。
女性にしてみると、30歳を超えて妊娠すると高齢出産と位置づけられて、出産に危険がともなうので、体力的な面から考えると20代で出産することも大きな理由でしょう!
さらに、30代を超える女性には、働く環境が用意されていませんでしたので、仕事に情熱を傾けることのできない女性たちは、必然的に結婚に夢を抱くようになり、20代の半ばまでには素敵な相手を見つけて寿退社するのが世のOLの目標でした。
当時の女性は、お茶くみなどの雑用ぐらいの仕事しか与えられず、25歳の若さで否応なく定年させられていたような、25歳定年制という時代もあったそうです。
一方、男の方はというと、結婚して家庭を持たないと、一人前と認められないような風潮がありました。
バブル全盛の時代は、残業につぐ残業でいつも深夜帰宅のうえ、休日も仕事に駆り出される、そんな世の男たちの癒しの場として、自分が家を空けている間に家庭を守ってくれる配偶者は、どうしても必要な存在でした。
ところが、平成時代に入り、ここ10年~20年ほどで、結婚に対する環境の変化が急激におこりました。
適齢期になったら結婚しなければならないという社会常識はなくなり、適齢期という言葉そのものが死語になりつつあります。
特に変わったのは女性側の事情だと言われています。
医学の発達で、高齢出産の概念が変わりつつあり、40歳を過ぎての出産も普通に行なわれるようになりました。
また、女性の就業機会が広がり、男性と同じように会社の戦力として扱われるようになっています。女性の場合、自分で働けば経済的に男に頼る必要もなくなります。
結婚してしまうと生きがいを感じていた仕事の道が閉ざされてしまうようになりますので、30歳、40歳になっても独身者が当たり前にいる時代になりました。
「男は仕事をして女は家庭を守る。」というような旧態依然とした男女の役割分担もなくなり、男女とも配偶者がいなくても困らなくなりました。
晩婚化が進み、一緒には住むけれど籍は入れないでお互いに自立した生活をするという、「事実婚」の形態を選ぶカップルも増えていると言われています。
